ルミネの新しいCMが話題になっている。
ルミネのCMの件ですが、開始1〜2秒に流れる奇妙な地形がどうなってるのかを考えながら見ると話に集中できずに怒らないで見ることができます。 pic.twitter.com/ZSPlMkMIF7
— 浦島もよ (@monoprixgourmet) 2015, 3月 19
浦島さんの言う通り、奥に見える地形は確かに妙だ。真ん中の女性の顔のすぐ後ろに車があることからも分かるように、車道は急に高くなっているのに左側の歩道は同じレベルのままだ。
そして、この道には見覚えがある。印刷博物館の前の、神田川沿いの道だ。昔から大曲と呼ばれるあたり。
車道だけが高くなっている理由は、右から伸びてくる水色の橋にある。実は対岸のほうが2メートルほど高いので、こちら側の橋の根元の地面を盛り上げてレベルを合わせているのだ。
橋は、上の図(東京地形地図のキャプチャー)の真ん中の白い線のようにかかっている。視線は赤い矢印の向き。色が濃いほど標高が高いので、こちら側が低いというより向こう岸が高くなっているのが分かる。
別の場所から対岸を見たところ。ちょっと分かりにくいけど、向こう岸がずいぶん高いところに見えるのが分かる。じゃあ、ここらへんの岸はぜんぶそうかというと、そうでもない。たとえば隣の橋は両岸とも同じレベルにある。
そうすると気になるのは、こんなふうに両岸で高さが極端に違うのはどんなときかってことだ。一つ思いつくのは、この場所が「大曲」と呼ばれていたように、神田川がぐぐっと屈曲している現場だってこと。川が曲がっている部分の内側を削り残す、みたいなことがあるんだろうか?
そう思って神田川やその支流の曲がっている部分を見てみると、確かにそう思えなくもない箇所はある。
赤く点を打った場所は、川が大きくカーブする内側の標高がずいぶん高い(色が濃い)。ただ、これと逆に外側のほうが高いような場所もふつうにある。
これは神田川の上流だけど、ここだと赤く点を打った外側のほうが高くなってる。だから必ず内側が高いということはないようだ。ただし、眺めてる限り、大きく曲がるようなところで両岸の標高に差があるということは割合あるように思える。因果関係としては、急に高い崖にぶつかったから大きく曲がるっていうこともあるかもしれない。
ここらへんのことは地理とか地形を勉強した人なら基本的な知識だと思うので、お前もうちょっと勉強しろってことだとは思うんだけど。
印刷博物館の前のあの道路は、以前からちょっと妙だなとは思っていた。だからこそルミネのCMを見たときにあそこかなと思えたんだけど、浦島さんに改めて「奇妙な地形」と言われるまでその理由はあまり考えたことがなかった。ルミネの新CMと浦島さんの指摘に感謝したいと思います。