「街角図鑑」という本を書きました。
街を歩いているとよく見かける、なんでもないものを集めた本です。
パイロンとか、車止めとか、マンホールとか、そういうもの。ありふれているからこそ、かえってちゃんと見たことがない。でも集めてみると、じつはいろんな種類があって、それぞれ全部違うんだという驚きがあります。
たとえばこれ、パイロンです。三角コーンとか、カラーコーンとか呼ばれています。カラーコーンというのはパイロンの商品名の1つで、それ以外に「HKスコッチコーン」とか「サワーコーン」みたいな少しづつ違うパイロンがいっぱいあるんです。すごいですよね。
これからは、街でこういうのを見かけても「あ、パイロンだ」じゃなくて、「レボリューションコーン700だ」と思うことができるんです。便利!
著者がまた豪華なのです。
・石川初さん:「仮設と常設」「重力が支配する」「
・磯部祥行さん:「勝手ミラー」
・伊藤健史さん:「のぼりベース入門」、「擬木のなかま」
・内海慶一さん:「装飾テント」
・大山顕さん:「雰囲気五線譜」
・柏崎哲生さん:「井戸ポンプのなかま」
・木村絵里子さん:「送水口鑑賞ノート」
・小金井美和子さん:「マンホール蓋のなかま」「境界標のなかま」
・佐々木あやこさん:「送水口のなかま」
・八馬智さん:『街角にあふれる「お店では買えないモノ」のデザイン』
・村田彩子さん:「路上園芸」
タイトルだけでも楽しそうでしょう。読むとじっさい楽しいですよ!
この本の「はじめに」の章は、著者の一人でもある石川初さんに捧げられています。まさに「はじめに」です。この本を作るきっかけの1つが、石川さんの早稲田大学の授業での課題「新しい鑑賞ガイド」だからです。
街にありふれているけれども、ふだん目を向けられることがないものを鑑賞するためのガイドを作りなさい、という課題。
たとえばこれは、学生の方が提出した「ガイドポストさん」です。素敵ですよね。こんな本が作りたいなと思ったのです。
そしてこの本の「フィールドワークにでかけよう」という章は、同じく著者の大山顕さんと内海慶一さんに捧げられています。見ていたはずなのに見えていなかったものが街にはいっぱいあるということを、お二人に教わりました。
この本は多くの方の協力によって出来ました。きっかけとなる「街角図鑑」という記事を書く場所を頂いたニフティのデイリーポータルZ、それから執筆いただいた著者の方々、編集の磯部祥行さん、原稿をレビューして頂いた方、多くの方に感謝します。写真撮影や校正などを手伝ってくれた妻にも。
今まで同じに見えていたものが違って見える。見えなかったものが見えるようになる。そういう本になるといいなあと思います。
「街角図鑑」(実業之日本社)
http://www.amazon.co.jp/dp/440811183X