ゴミを追跡する

ゴミ箱

写真は、ゴミ箱に入れたかっぱえびせんの空き袋。

普通は、この時点で、あるいはゴミ袋を集積所に運んだ時点で、もうゴミのことは忘れる。そこから先、ゴミが具体的にどこをどう運ばれていくかについては別に気にしないし、あまり知ろうとも思わない。

でも、たまにはゴミの気持ちになって、このかっぱえびせんの辿る道を具体的に追跡してみるのも面白いんじゃないかと思った。

ゴミを追跡する・その2

ゴミ収集車

ということで、最初の中継点はいつものゴミの集積所。

収集車のお兄さんが次々とゴミ袋を車の中に投げ入れている。 運転手の人に、集めたゴミを次にどこに運ぶのか聞いてみたところ、

「ここらへんのゴミは全部ミサキの中継所まで持っていくんだよ」 

とのことだった。

ミサキというから海の近くまで持っていくのかと思ったら、水道橋のあたりに三崎町というのがあって、そこにいろんな収集車の集めたゴミをまとめる施設があるらしい。

というわけでとりあえずそこに行ってみることにする。

ゴミを追跡する・その3

三崎町中継所

次の地点は三崎町のゴミ中継所。

正式には千代田区環境清掃部千代田清掃事務所三崎町中継所と言うらしい。

事務所内にお邪魔してこの先のゴミの経路を聞いてみると、ここ以降は船で神田川の上を運び、次の中継点は秋葉原付近とのこと。ちなみにここの中継所では燃えないゴミのみを集めるらしく、燃えるゴミは各収集車が直接最寄りの清掃工場まで持っていくらしい。

何にしろ、かっぱえびせんの空き袋はかならずこの船に乗るということになる。

というわけで、次の地点の秋葉原まで行ってみよう。

ゴミを追跡する・その4

秋葉原ガード下

神田川沿いに秋葉原のガード下までやって来た。 写真は万世橋側から見たところ。

こんなところでゴミが中継されているなんて、普段どんなに秋葉原の電気街を利用している人でも気が付かないだろう。それぐらい目立たないところにある。

ここで、三崎町からやってきた船の荷台部分と動力船の部分が切り離され、動力船の方は再び三崎町へ戻る。荷台部分は、ここで待機している動力船に改めて繋ぎかえられて、次の目的地であるお台場付近の処理施設へ向かうんだそうだ。

ということで、ちょっと遠いけどぼくもお台場まで行ってみよう。

ゴミを追跡する・その5

中間施設

いよいよ最終目的地に近くなってきた。

ここはお台場の南にある「中防不燃ごみ処理センター」。 ここまで、ゴミはゴミ袋に入ったまま何の処理もされずに運ばれてきたのだけれども、ここで初めて埋立てに向けた中間処理が行われる。

最初に、回転する巨大ハンマーでゴミ袋もろともガシガシに殴ってゴミを細かくする。 この時点で中身がバラバラになって、ある程度小さくなるのだけれども、かっぱえびせんの空き袋のようなものは、原形の大きさのまま余り変わらないらしい。

次に鉄とアルミを磁力等で選別し、これは売ってしまう。 残りについては、埋めることになる。

では、埋立の現場へ行ってみよう。

ゴミを追跡する・その6

埋め立て地入口

ゴミの最終処分場の入り口までやってきた。
正式には中央防波堤外側埋立処分場と言うらしい。

遠くで作業する車と、付近を舞うユリカモメが見える。

こういう立入禁止の札があるとちょっとわくわくするというか、どうしてもその先に行ってみたくなる。

というわけで、行ってみよう。

ゴミを追跡する・その7

埋め立て現場

いよいよ最終目的地である埋立の現場にやってきた。

粉砕されて小さくなっているとはいえ、それなりに大きなゴミがはるかかなたまで敷きつめられている。 かっぱえびせんの空き袋もこの中のどこかにあるんだろう。

なお、ここに露出しているゴミはぜんぶ燃えないゴミで、燃えるゴミはもうちょっと離れた場所に焼却灰の形で埋められているようだ。

もっとカラスやカモメがギャアギャア舞っているかと思ってたんだけど、さすがに焼却灰を食べるわけにもいかないようで、最近はほとんど姿を見せないらしい。

ちなみに、ここの埋立地の寿命はあと5年ほどしかない。そこで、埋立地の南側には新海面処分場という新しい処分場が作られつつある。

新たな埋め立て地

一部は既にゴミの埋立が始まっていて、全体の寿命は30年ほどとのこと。

広い東京湾とはいえ、そのうち東京都が使える部分はもう使い尽くしてしまったそうで、30年後にゴミをどこに持っていくかについてはまだ未定らしい。

まあ確かに、そんな未来のことはその時考えればいいよ、という気はする。

ところで、かっぱえびせんの袋はポリプロピレンというプラスチックでできているので、本来ならリサイクルできるはずだけれど、千代田区では今のところ分別回収するという制度はないみたい。

というわけで私はキコキコと自転車を鳴らしてお家に帰るのでありました。